研究室紹介

環境工学の研究は、建物内で人間に安全で快適な空間を提供するため、直接、人間の感覚に影響を及ぼす重要な分野です。特に音・振動環境は、その制御や対策の基本が建築の設計・施工に関することから建築後の改善は非常に困難です。一方で、集合住宅を中心に居住後の騒音に関するトラブルも非常に多く、取り組むべき課題は多く挙がっています。

井上研究室では、建築の音・振動・電磁環境などを中心に、様々なテーマで研究を行っています。

研究内容

1.住宅の騒音・体感振動の制御に関する研究

このテーマは、住宅内で発生する騒音・振動、住宅内に外部や他住戸から侵入する騒音・振動の制御法を、構造・デザイン・材料・施工法等から検討するもので、非常に社会的に関心の高いテーマです。特に、床衝撃音は居住後の最も不満の多い問題であり、社会的ニーズが高い。具体的には次のような項目の研究を行っています。 ⇒ PDF

2.住宅の音環境に対する性能表示に関する研究

集合住宅の騒音問題は、入居後、紛争・裁判に発展することも少なくありません。そこで本研究テーマでは、実際の居住者にアンケート調査を行い、音環境問題解決の一つとして、どのような音がどのように聞こえるのか、その表現方法や、対策方法などの検討を行っています。

3.環境工学に係わる民事裁判の現状と分析

音環境のみに限らず、建築の環境分野に係わる裁判や紛争がどのように発生しているのか、その現状と分析を行い、原因や対策方法などを検討しています。 ⇒ PDF

4.高齢者に配慮した住宅床の快適性・安全性に関する研究

高齢者を含めて、安全で快適な床仕様について研究を行っています。例えば、「歩行時の適正な床のかたさ」や「転倒時の衝撃を和らげる床仕様」等、人間工学的な面からもアプローチしています。 ⇒ PDF

5.幼稚園・小学校の建築計画と子供の音環境

成長期にある子どもたちにとって、聴覚系を通したいろいろな体験は、将来の感性や考え方に大きく影響します。 この研究は、子どもたちが多くの時間を過ごす学校を対象として、学校建築、さらには子どもの音環境について研究します。

6.都市空間を対象とした熱環境、音環境、街並形状・色彩と空間印象などの研究

都市の空間を対象に、環境からのアプローチを行っています。熱環境ではヒートアイランドを取り上げ、実測や航空撮影から現象を解析しています。また、街並形状(都市景観)や音環境についても、街路空間の構成要因として取り上げています。 ⇒ PDF

7.建築物の電磁環境の制御に関する研究

無線LANなどの電波制御方法や人体側への影響が予想される磁場を研究しています。

8.人間工学的アプローチからみた人間の五感(視覚、聴覚、触覚など)と建築空間の研究

工事中